2020年2月15日土曜日

「名もなき生涯」は、人間の内面の美しさを信じるテレンスマリック監督の集大成的作品

皆様、先日のハッピーバレンタインデーはいかがでしたでしょうか。
私は幸運にも、「名もなき生涯」の試写会に当たったので、一足早く観てきました。
今回は、「名もなき生涯」のレビューをしたいと思います。公開前なので、ネタバレ厳禁で(とはいえ、ネタバレしても価値が下がらないタイプの映画かと思いますが)




「名もなき生涯(原題:A Hidden Life)」は、「天国の日々」「シン・レッド・ライン」や「ツリー・オブ・ライフ」等で知られるテレンスマリック監督の最新作です。
テレンスマリック監督の映画を見たことがある人は、彼の作風を既に何となくご存知かと思いますが、彼は他の映画監督とは一線を画する特有の作風を持ってる部類の監督だと思います。

テレンスマリック監督の映画の作風は、自分のイメージでは「神々しい」「清らか」「詩的」「囁きのような、そして独り言のような台詞が多い」「スローテンポ」、ネガティブに言うならば「眠くなる!」が第一印象。

テレンスマリック監督は、70年代の「天国の日々」「地獄の逃避行」の時と、1998年「シン・レッド・ライン」で映画界に返り咲いて以降ではまたちょっと作風が違う印象です。更に言うならば、2011年の「ツリーオブライフ」以降もまたちょっと違いますし、逆に「ツリーオブライフ」以降の映画は作風に統一感があります。今回の「名もなき生涯」も「ツリーオブライフ」シリーズといってもいい作品だと思います。

70年代の頃のテレンスマリックの映画は、物語の軸がしっかりしていた印象です。一方で、ここ最近の(特にツリーオブライフ以降の)マリック監督の映画は、言葉やストーリーではなく、視覚的に、つまり感性に訴えることで物事を語る場面が多く、それゆえ70年代の時よりは抽象的な印象を与える作風になってきたなと感じてます。

もちろん、昔から共通してる部分もあります。例えば登場人物の台詞が詩的なのは「天国の日々」の時からそうでした。テレンスマリック監督の映画を見ると、彼は映画監督である以上に、詩人なんだなとことごとく感じます。ある人物の、あるたった1つのセリフで、突然観るものの心を奪い去る。そんな神業ができる監督だと思います。

作風だけではなく、映画の内容についても、昔から一貫して彼の映画の中には共通のテーマがあると感じてます。その共通テーマとは、「人間は、本来善良である(性善説)」です。彼(マリック)にとって、人は全て神の子供であり、完全なる悪人は存在していない。まるで、テレンスマリックは人間が本来持つ内面の美しさを描く事を使命としているんじゃあないかなんて感じる事もあります。テレンスマリックの映画では「信仰」についてもよく描かれますが、それはテレンスマリックが「信仰心」こそが人間の内面の美しさを測る尺度として最も相応しいと考えているからだと思います。そして、テレンスマリックの信仰に対する考え方は説得力があります。信仰とは何の見返りも求めずひたむきに神に愛情を注ぐことであり、見返りを求めない「無条件の愛」こそが、人間の内面の美しさの証明である。だから、信仰心は人間の内面の美しさを測る尺度になりうる。自分はテレンスマリック監督の映画からそんな考え方を読み取りました。

前置きがだいぶ長くなりましたが、「名もなき生涯」をレビューする上では欠かせない前置きでした。なぜなら、「名もなき生涯」はテレンスマリックの突然変異した新作ではなく、まぎれもなく今までのテレンスマリック監督作品の延長線上にある新作映画だからです。
「名もなき生涯」は、3時間と長丁場ではありますが、最終的にとても綺麗に纏められている映画であり、「ツリーオブライフ」から始まる彼の一連の作品の集大成と言える映画だと思いました。どんな時でも人間の内面の美しさを信じ続けられるテレンスマリックだからこそ作れる映画であり、人間の内面の美しさをひたむきに信じ続けられる彼はなんてロマンチックなんだろう!と感じました。そしてそれこそがテレンスマリック監督の映画にかけられた魔法であり、他の映画監督にはない、彼自身のパワーだと思います。

近年は、人間の醜さや邪悪さを描きたがる監督が多数派で(筆頭は、ラースフォントリアー)テレンスマリックはそんな監督達の正反対をいく唯一無二の存在だと思っています。

映画が好きな方、是非ともテレンスマリックの映画も観て欲しいです。そして、ひたむきに人間のハートを信じる事が、いかにロマンあふれる生き方であるか、是非彼の映画を観て感じて欲しいなと思います。それが、自分が考えるテレンスマリック監督の映画の楽しみ方です。

2020年2月8日土曜日

影の名作映画ご紹介①「ミリオンダラー・ホテル」 -果たして本当に巨匠の失敗作なのか?落伍者が集まるホテルと、傷つきすぎた男の人生最後の恋の物語-

映画ファンが、映画について語るブログは数多くあり、よく知られている映画はいろんな人が、其々の解釈で既に語っているため、あまり多く語られてなさそうな映画を題材にブログを書いてみることにしました。題して「影の名作映画ご紹介!」
このコーナーでは、この映画自分は好きだけど、他の映画ファンはこの映画のことあまり語っていないな・・と、いう、いわば自分が影の名作映画だと思っている映画について書きたいと思っています。少しでも、自分が影の名作だと信じる映画のファンが増えることを期待して・・・

そして、「影の名作映画ご紹介」というお題目で映画を語るなら、まず自分にとって絶対外せない映画があります。

第一弾は、ヴィム・ヴェンダース監督の「ミリオンダラー・ホテル」です。



自分が「ミリオンダラー・ホテル」を初めて観たのは高校生の時。当時は映画より洋楽にはまっていて、U2のボノが脚本を書き、さらにこの映画に新曲も提供しているということから興味を惹かれて観ました。どちらかといえば音楽を聴きたくて観る、という変わった動機で見たにも関わらず、この映画のどこか幻想的ともいえる雰囲気に魅了されました。高校生の時以来からこの映画の世界は心の片隅に残ったままであり、自分の映画史を語る上では外せないマイベスト映画の一つになりました。

ミリオンダラー・ホテルの背景と登場人物、簡単なあらすじについてご紹介します。

まず、舞台はロサンゼルスのダウンタウンにあるミリオンダラー・ホテルという、落ちぶれたボロボロな安ホテルです。このホテルは、かつては夢を持っていたが、それが叶わず人生の落伍者となった人達が集う場所となっていました。

主人公トムトムは、このホテルの住人の1人であり、知的障害を持っている・・少なくとも、周りからは知的障害者だと思われている男性です。
ただ、映画を観るとわかりますが、トムトムが本当に知的障害者なのか?実はもう治ってるけど、それでもあえて知的障害者を演じているのではないかと思う場面があります。
後者の場合、何故演じるのでしょうか?・・トムトムという人物を観ていて1つ感じたのは、彼は今までの人生で、他人から何度も深く傷つけられてきたのであろうということです。この映画の中でも、安ホテルの住民たちの何人かは、トムトムをバカ扱い。だから、トムトムは知的障害者を演じているほうがずっと生きやすかったのかもしれない・・と思いました。

安ホテルで粛々と生きてきたトムトムの人生を変えたのは、エロイーズという女性との出会いでした。このエロイーズという女性は、裸足でホテルの外を歩き回り、昼間は古本屋に積み上げられた本の中に身を潜めるようにして、ひたすら読書を楽しみ、夜は体を売ることで生計を立てている女性のようです。この映画の中で描かれるエロイーズという女性の魅力は強烈で、まるで中世ヨーロッパの絵画のようです。
幻惑的で、退廃的で、ミステリアスで・・まるで数百年分の時間の流れが積み上げられているような、そんな深みを感じる謎に包まれている女性です。



この映画の中で、トムトムはエロイーズに何故惹かれたかを一切説明しません。しかし、そんな説明は必要ないと感じますし、むしろ説明するだけ野暮でしょう。

トムトムにとってのもう1人の重要人物は、イギーという男です。彼は映画が始まった時点で故人であり、かつてトムトムの親友でした。エロイーズとも顔見知りだったようです。イギーはミリオンダラー・ホテルの屋上から転落して死んでおり、調査のためにFBI捜査官スキナーがホテルに派遣されます。この捜査官スキナーは、トムトムに知性がある事を見出している、数少ない人物にみえます。

物語は、トムトムとエロイーズのラブストーリーと、スキナーのイギー殺人犯探しを軸に進みます。さらにイギーの遺産である絵画を巡って話は発展していきますが、主軸はあくまでトムトムとエロイーズ、そしてイギーの殺人犯・・です。

トムトムとエロイーズが2人でホテルの一室にいる時間が描かれますが、2人きりで部屋に居る間のトムトムとエロイーズの表情をみると、今まで人に傷つけられてきた事や、今までの人生の失敗や、安ホテルに身を置くしかない惨めな人生は全て遠い過去に葬られているかのようです。そしてそんな2人が佇む安ホテルの一室も、この二人にとっては人生で最も大切な、特別な空間のように輝いてみえます。

知的障害者として生きる以外の選択肢がない、傷つけられたトムトムの、人生最期の恋。
「ミリオンダラー・ホテル」は、ただ人生の美しさについて語っている・・そんな映画だと思います。



追伸;
「ミリオンダラー・ホテル」はベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞したものの、アメリカでは批評も評判も最低だった模様です。しかし、監督ヴィム・ヴェンダースはこの映画を自身の失敗作だとは思っていないようです。むしろ「私は本当に、この映画の事が大好きになった」という風なことをインタビューで語っています。このインタビュー記事は「ミリオンダラーホテル」の映画パンフレットに書かれていました。

ブログを書いた後、少しググってみましたが、、やはりこの映画の熱心なファンな方はいますね。圧倒的な魅力ですもんね・・この映画のミラ・ジョヴォウィッチ。





2020年1月23日木曜日

映画「コロンバス」を観たいリストに追加すべき3つの理由

皆様は、映画「コロンバス」をご存じでしょうか?
おそらく、「コロンバス」公式ツイッターのフォロワー数から察するに、大半の方はご存じないのではないかと思います。
今回は、著者のtransfilmがなぜこの映画を観たいと思っているかについて書きたいと思います。
題して、「映画コロンバスを観たいリストに追加すべき3つの理由」

  • 理由その①

まずは、大人の純恋愛映画に、
知的でストイックな青春映画を融合したような雰囲気を感じるTrailerをご覧ください!



著者はこのtrailerを観た時点でビビッときました!
「ビフォアサンセット」のような新たな大人の純恋愛映画の傑作であることを期待してます。映像も良いです。現代的な建築物が題材になってるのもまた良いです。なんか知的です。なんか大人です。なんかモテそうです。


・・皆様は、このtrailerを観てどう感じましたか?



  • 理由その②

キャスティングされたメインの俳優2人(ジョン・チューヘイリー・ル・リチャードン)が絶妙。に良い。


 

右:ヘイリー・ル・リチャードソン主演の「ラスト・サバイバーズ」 

   左:ジョン・チュー主演の「サーチ/Search」

ジョン・チューは、日本でもファンがそこそこいるという印象です。
色んな映画に出てますが、最近だとJJ版スタートレックなんかが一番映画ファンに観られた映画でしょうか。

ジョン・チューは渋い大人の男役が似合いそうな俳優で、「コロンバス」から「大人の純恋愛」な雰囲気を感じる大きな要因かもしれません。

そんなジョン・チューですが、著者のいち推しジョン・チュー映画は「愛しのグランマ」です。上映時間90分にも満たないこじんまりとした作品ですが、傑作だと思うので、ぜひご覧になってみてください。



(・・ちなみに、ジョン・チュー映画としてお勧めはしたけどジョン・チューはそこまで目立ってなかったかも・・なぜなら著者はの視線はジュリア・ガーナーに釘付け・・)


ヘイリー・ル・リチャードソンは、ジョン・チューほどメジャーではなく、知る人ぞ知る俳優といえるのではないでしょうか。

最近だと「スイート17モンスター」の主役ヘイリースタインフェルドの友人役なんかが一番有名な役だと思います。




ヘイリー・ル・リチャードソンは自分の中では期待の新鋭若手俳優だと思ってましたが、売れっ子になりかけてるゾーイ・ドゥイッチ(ゾンビランド・ダブルタップ)やフローレンス・ピュー(ファイティングファミリー)等に押されて最近はあまり目立っていない印象です。特に著者的にはヘイリーはゾーイ・ドゥイッチと若干かぶってる気がします。が、映画「コロンバス」での演技はとても素晴らしいそうですし、ぜひ売れっ子路線ではなくアート系の道に進んでいってジム・ジャームッシュの映画に出るような俳優になってほしいですな!と、著者は勝手に思ってます。


  • 理由その③(もし、映画「コロンバス」が本当に傑作だったなら・・)

皆誰も観たいと思ってなかった映画が傑作だった時の優越感に浸れるから!
もし皆誰も観てない傑作だったならば、そのときは大いに自慢・・いや宣伝すべし!

2020年1月18日土曜日

コラム-映画をどうやって観るか

本ブログの著者であるtransfilmは、いままで洋画のみでおよそ3710本の映画を鑑賞しました。年間観る本数は仕事の忙しさにもよりますが、平均で300本弱くらい、観てるのではないかと思います。(仕事してる時以外は大半映画観てるということですね。暇そうですね。。lol)

それで、年間300本もの映画をどうやって観ているかですが、著者は主に下の4パターンです。
  1. サブスクリプション型の動画配信サイトで観る!(Netflix, Amazonプライムなど)
  2. レンタルして観る!(Amazon, itunes,TSUTAYAなど)
  3. 映画館で観る!
  4. DVD、Blu-rayを購入して観る!
この4パターンですが、著者の優先度は上から順に高いです。例えば、最近よくあるケースとして、サブスク型の動画配信サイト(つまりNetflixやAmazonプライム)のオリジナル映画を映画館でも同時に公開するケースがありますが、著者はそういう時に映画館に行くことはまずないです。映画館に行く移動時間、料金、映画館の周囲の観客の雑音等を考慮すると、家にあるプロジェクターとワイヤレスヘッドフォンでホームシアター形式で観るのが一番ストレスフリーで理にかなってるし、今の時代に合った映画鑑賞方法だと思っているからです。あとは、後述しますが私的には日本の映画配給会社に対する不満を持っている事も、映画館を優先しない理由の一つです。
(注:ここから先、映画館に対し辛辣な事を言ってます、すみません。ご容赦ください。)

・・むしろ、映画館で観ることにこだわる人がいまだにたくさんいることを不思議に思っています。なぜなら、そのうち大半の人たちは、周囲の客のマナー(雑音やスマホの光)に対して少なからず不快感を感じてるからです。それを解決する一番の方法は、より良い映画館マナーをtwitterで訴えるより、自分のスペースを使って、映画館で観るのと同じくらい気持ちよく映画を見る方法・環境を構築するほうが現実的だと思ってます。マナーの意識が低い他人の行動をコントロールするのは不可能です。

2番目に、レンタルもよく活用します。私がレンタルで観るのは、あえて映画館観賞をスキップした気になる新作映画だったり、サブスク型の動画サイトで配信されていない古い映画だったり、DVDスルーの映画だったりです。
映画ファンが決して侮ってはいけないのは、TSUTAYA等のレンタルショップの存在だと思います。TSUTAYAは「発掘良品」などで、廃盤になっていた多くの名作映画を映画ファンに広めてくれていました。なので映画ファンは、映画館なんかよりNeflixやAmazonプライムのあおりを受けて縮小しているTSUTAYAこそ応援するべきかもしれません。少なくとも著者はTSUTAYAファンなので、たとえ何もレンタルする予定がなくてもTSUTAYAディスカスに加入し続けてます。

・・ちなみにですが、上に出てきた「DVDスルー」とは、映画館での公開は見送られ、先にDVD化されることで日本公開されることです。

少し話は脱線しますが・・映画鑑賞歴の浅い洋画ファンの方には特にお伝えしたいことがあります。良作の洋画はすべて日本の映画館で公開されているとは限らないということです。
むしろ、映画館で公開される映画はおそらく1/3程度であり、もう2/3の映画はDVDスルーか、最悪の場合、日本未公開となってしまってる映画もあります。このため、DVDスルーや日本未公開になってる傑作映画はたくさんあります。
お伝えしたいことは、2つあります。

  • 1つ目は、たとえどうしても映画館での鑑賞にこだわりたいという方であっても、レンタルされている映画も必ずチェックすべき。ということです。チェックしていると、「あれ?私毎日のように映画館に通っているのに、この映画はみかけたことないぞ」という映画が確実にあると思いますし、そしてその中に今後の貴方の生き方を左右するような傑作映画がある可能性があります。
  • 2つ目は、映画ファンは、映画館や映画配給会社に対してもっとクレーマーになるべき。ということです。私の場合、洋画観賞にはまればはまるほど、今の日本の映画配給会社で働いている人たちの映画の選定はあまりあてにならないということを感じるようになりました。特に、サンダンス映画祭とかトロント映画祭で公開されるような、新鋭監督・俳優の映画、若干マイナーな映画の配給が弱いという印象です。

個人的な印象として、日本の映画ファンはなぜか盲目的に映画館や映画配給会社を全信頼して、彼らはとにかくありがたい存在であり無条件で賞賛すべき存在であるという風に対応してる方が多いのかなという気がしてます。

ご存じの通り、日本は大半の洋画の劇場公開は世界で最も遅いことが多いです。これは今に始まったことではなく、もう数十年前からずっとそのようです。公開が遅いのは吹替の製作に時間がかかっているというわけではなく(スペイン等でも同じく吹替映画を作るでしょうが公開は全然遅くないですね)、配給会社の利益都合によるところが多いのだと思います。配給会社が自社の儲け優先で、映画ファンの期待を無視して公開日を勝手にどんどん後ろ倒しするのは、私的には本来多くの映画ファンがクレームをいれるべき案件だと思います。日本の映画館や配給会社をダメにするためにクレームを入れるのではなく、むしろ彼らをよくするためには映画ファンの厳しい目が必要ではないかと思います。
日本は映画の公開日が遅いだけではなく、料金の設定も世界トップクラスで高めです。NetflixやAmazonプライム、Apple+, Disney+..映画館の代替となる可能性もあるサービスがどんどん日本に上陸しているのに、数十年前からやり方をほとんど変えず、結果利益が圧迫されて値上げで対応している日本の映画業界は危機感をもってないように見えますので、日本の映画業界の先行きには不安を感じます。

・・・だいぶ話はそれてしまいましたが・・

3番目の映画の鑑賞方法は、その、先行き不安な映画館での鑑賞です。ホームシアターで観れない場足に限り、映画館に行って映画を観ることにしています。大好きな映画自体にお金を払うのは一向にかまわないですが、前述のとおり、劇場公開日を後ろ倒ししてる映画館自体には利益を残したくない気持ちがあるので、ジュースやポップコーンも買わず、なるべく会員割引などを使って1000円~1300円程度で観れるようにけちってます。

4番目は、DVD、Blu-rayを購入して観る!です。これは、特にお気に入りの映画はコレクションに加えたいという気持ち、および製作側への感謝の気持ちを込めてDVD、Blu-rayを購入するというパターンもありますが、日本未公開だと思ってたけど、実は海外盤のDVD、Blu-rayに日本語字幕が入ってた!・・という、「なんでや!」と不思議に感じるケースも含まれます。特に、スペイン盤のDVD、Blu-rayに日本語字幕が入っていることが多いです。最近だと、2010年代のSF映画として最高傑作の部類に入るであろう、「エクス・マキナ(Ex-machina)」なんかがこのケースでした。





日本語字幕も入ってる海外版DVD・Blu-rayですが、購入したい場合はスペイン版Amazonサイトを利用するのが良いと思います。スペイン版AmazonサイトのDVD/Blu-ray購入方法ですが、ググるといくつか方法を解説してくれているサイトが見つけられると思いますので、そちらを参考になさってください。

徒然なるままに書いてしまいましたが、映画を見る方法に関する著者のまとめは以下です。

  • 映画ファンならば、Neflix, Amazonプライム, AppleTV+等のサブスクに加入することを惜しむなかれ!むしろ惜しむべきなのは利益優先の映画館で使うお金のほうでは?!
  • 影の名作に出会いたいならば、レンタルを活用すべき!TSUTAYA等のレンタルショップを守ろう!
  • (よりマニアな方は)日本未公開映画を観る方法を模索しよう!スペイン版DVD・Blu-rayは要チェック
長くなりましたが、本コラムは以上です!

2020年1月13日月曜日

2019年の海外ドラマまとめ

2019年は2018年以上によく洋ドラマを観ました。洋画ドラマを観る楽しさに目覚めつつあります。ただ、まだ映画観賞が主なのは変わってない(多分今後も変わらない)ので、本当に海外ドラマ中心に観てる人ほどは観ていないです。が、とうとうベスト10を挙げれるくらいは観てしまったので、さっそく挙げてみたいと思います。

transfilmの2019年洋画ドラマベスト10
Rank 原題 邦題
1 The Dark Crystal: Age of Resistance ダーククリスタル: エイジ・オブ・レジスタンス
2 The Witcher ウィッチャー
3 The Marvelous Mrs.Maisel Season 3 マーベラス・ミセス・メイゼル シーズン3
4 Chilling Adventures of Sabrina Season 2 サブリナ: ダークアドベンチャー シーズン2
5 Game of Thrones Season 8 ゲームオブスローンズ シーズン8
6 Unbelievable アンビリーバブル たった1つの真実
7 Stranger Things Season 3 ストレンジャーシングス シーズン 3
8 See See -暗黒の世界-
9 Sharp Objects シャープ・オブジェクト 傷
10 iZombie Season 4 iゾンビ フォース・シーズン


自分の中では、1位「ダーククリスタル:エイジ・オブ・レジスタンス」2位「ウィッチャー」は、面白さ的には僅差です。ですが、どちらか一方を選ぶとするならば、CGではなく昔ながらのパペットで撮影する事に拘った「ダーククリスタル:エイジ・オブ・レジスタンス」のほうが、芸術性で優ってたということで、1位にしました!

3位「マーベラス・ミセス・メイゼル シーズン3」は、ミリアムとスージーの言葉の掛け合いが今まで以上にパワーアップしてるなと思いました。観ていて気持ちのいいドラマです。ニューヨークでラジオ収録の仕事をするエピソードがお気に入りです。

4位「サブリナ:ダークアドベンチャー シーズン2」ですが、このシリーズは洋画ホラーファンの中でも、特に悪魔系ホラー(「オーメン」やサム・ライミの「スペル」等々)が好きな方にはたまらないシリーズだと思ってます。魔女狩りにきた天使たちをサブリナが・・・(ネタばれ禁止)・・・するエピソードが一番好きだし、このシリーズで一番最高の場面でした。

5位「ゲームオブスローンズ シーズン8」は多くのファンをがっかりさせた最終シーズンになってしまったようですが、おそらくがっかりしたのはデナーリスファンだった人たちかもしれません。個人的には、デナーリスはシーズン序盤から何か悪い香りのするキャラだと感じていたので、納得の展開でした。もちろん、ちょっと納得いかなかった所もあるんですが、「今まで長い間楽しませてくれて、本当にありがとうございました!」という気持ちも込めて、5位にしました。

当初の期待を裏切って予想以上に面白かったという意味では(「ウィッチャー」もそうですが)8位の「See 暗黒の世界」は自分の中でとても印象に残ったドラマでした。独特の世界観を持つドラマで、(最初は少し馬鹿にしてましたが・・)癖になる面白さです。今後の展開次第では、めちゃくちゃ面白くなるドラマだと思ってます。

逆に、当初の予想よりかは面白くなかった・・というちょっと残念だったドラマは、7位の
「ストレンジャーシングス シーズン3」と、圏外(11位)の「ジェシカ・ジョーンズ シーズン3」でした。ストレンジャーシングスは今までがあれだけよかったので、1位、2位に入るくらいの面白さを期待してしまいます。ただ、新キャラのロビン(マヤ・ホーク)は最高でしたね。ロビンの「you suck」はmy流行語大賞になりそうです。

ジェシカ・ジョーンズは、本当はシーズン3で終わるべきじゃなかったんだろうな・・ということをひしひしと感じる幕引きでした。マーベルといえば今はディズニーで、ディズニーといえばNetflixの競合なので、こうなっちゃうのも仕方ないのでしょうか。主人公のキャラとしては海外ドラマの中で断トツNo.1で好きだったので、終わってしまったのは残念です。

2020年は、まず楽しみにしてるのは「iゾンビ」のファイナルシーズン、「サブリナ:ダークアドベンチャー」のシーズン3です。
あとは、Disney+がいつ日本でも始まってくれるのか・・。「マンダロリアン」気になりますが、観るならちゃんとDisney+で観たいですよね。(Disney Deluxe、ほんと要らないんですけどね!)

2020年1月12日日曜日

2019年の映画まとめ

2019年に観た映画をまとめます。
著者が2019年の一年間で観た映画の本数は389本でした。その内50本は映画館観賞です。

2019年は、動画配信サイト「Netflix」のオリジナル作品が今まで以上に特に存在感があった年だったという印象です。「マリッジストーリー」「アイリッシュマン」「2人のローマ教皇」などが、先日のGG賞でも多くの部門でノミネートを果たしていました。惜しくも作品賞の受賞はなりませんでしたが、どれも複数の部門で賞を取っていてもおかしくない素晴らしい出来栄えの映画だったと思います。
また、10作目で監督引退を宣言しているクエンティン・タランティーノ監督の第9作目「ワンス・アポン・ア・タイム・ハリウッド」や、9年ぶりの続編となった「トイストーリー4」、歴代の映画復興収入の記録を更新した「アベンジャーズ・エンドゲーム」「シャイニング」の続編「ドクタースリープ」などが2019年の話題作だったと思います。

著者が2019年観た新作映画の中で、特に面白かったと思うものを以下に並べてみました。


著者の2019年度年間トップ候補リスト
No. 原題 邦題 my評価(10段階
1 Mary Queen of Scots 二人の女王 メアリーとエリザベス 8
2 VICE バイス 8
3 The Glass Castle ガラスの城の約束 8
4 Don't think twice ドント・シンク・トワイス 8
5 COLD WAR COLD WAR あの歌、2つの心 8
6 Wildlife ワイルドライフ 8
7 Widows ロスト・マネー 偽りの報酬 8
8 Capharnaum 存在のない子供たち 8
9 Once upon a time in.... Hollywood ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 8
10 The Guernsey Literary and Potato Peel Pie Society ガーンジー島の読書会の秘密 8
11 The wife 天才作家の妻 40年目の真実 8
12 Toy Story 4 トイストーリー 4 8
13 Eighth grade エイス・グレード 世界で一番クールな私へ 8
14 Ad Astra アド・アストラ 8
15Thoroughbreds サラブレッド 8
16 Adam's Apple アダムズアップル 8
17 Eli イーライ 8
18 Crawl クロール 8
19 Marrowbone マローボーン家の掟 8
20 The Irishman アイリッシュマン 8
21 Marriage Story マリッジストーリー 8
22 Fighting with My Family ファイティングファミリー 8
23 Doctor Sleep ドクタースリープ 8

ちなみに、著者は観た映画、自己評価の記録は、IMDBで管理しています。

IMDB:
(https://www.imdb.com/)

IMDBは1から10までの10段階で評価をつけることができます。上の表の一番右に記載している数値が著者のIMDBで記録していた自己評価です。
2019年は9以上の評価をつけた映画はありませんでしたが、上記のうち「エイス・グレード」は9にしようかかなり迷いました。2019年マイベスト10はまだ決めていませんが、2019年マイベスト映画は「エイス・グレード」でほぼ決定ですね。

なお、2020年になってから観たのですが「ハーピーデスデイ2U」やアマゾンオリジナルの「ザ・リポート」も非常に面白かったです。


P.S.
皆さんは、映画の記録はどうやって行っていますか?
アプリを使う場合、filmarksを使われてる方が多いかなと感じています。
個人的には、洋画中心に映画鑑賞をされる方は、IMDBが一番おすすめです。
IMDBをお勧めするポイントは下記です。
  1. たいていの作品は海外先行で公開されるため、日本公開前に海外の評判を知ることができる。
  2. 洋画ならほぼすべての映画がデータベース化されており、IMDBで検索して引っかからない映画がほぼない(著者は8年間IMDBを利用していますが、まだ一度も未登録の映画に出会ったことがないです)
  3. 予告編・俳優のインタビュー動画等、観る映画選定の参考にできる情報が多数掲載されている。
デメリットは、Reviewや記事が英語で記載されているので、若干読みにくいというところくらいですかね。個人的には、英語の勉強にもなるし、あまり苦にはしていないです。


2019年は海外ドラマもかなり観たので、次回の投稿では海外ドラマについて書きたいと思います!

2020年1月11日土曜日

はじめまして!

今日から、映画に関することをブログで記載します。

「名もなき生涯」は、人間の内面の美しさを信じるテレンスマリック監督の集大成的作品

皆様、先日のハッピーバレンタインデーはいかがでしたでしょうか。 私は幸運にも、「名もなき生涯」の試写会に当たったので、一足早く観てきました。 今回は、「名もなき生涯」のレビューをしたいと思います。公開前なので、ネタバレ厳禁で(とはいえ、ネタバレしても価値が下がらないタイプ...